【海外の反応・レビュー・豆知識】『バッド・バッチ』シーズン2 第十六話(最終回)「プラン99」【ネタバレ】

2023/04/01

バッド・バッチ レビュー

t f B! P L

 

  • 第十四話「プラン99(Plan 99)」
  • 評価: ★9.2/10(IMDbユーザー評価)

海外の反応

「来週はバッドバッチがない!どうしよう!」

「今シーズンのテクの成長ぶりと、『サミット』のオープニングの後、もし誰かが居なくなるなら、テクに間違いないだろうと確信していた」

「ああ、テクよ・・・。彼がバッド・バッチの最後の一人になると思っていたんだが」

「テク:僕らが命令に従ったことあったか?」

「シドのクソ女!」

「ニュージーランドの訛りは遺伝的なものだということか。面白いな」

「シーズン2は思っていたのと違う展開になったね。クロスヘアーの救出で、誰かを失うような壮大な展開を予想していたが、クレニック、ソウ、そして残酷な計画ミスという想定していなかった終わりだった。しかし、巧みだったね。彼らが安全なルートで、部隊の再結成やクローンの反乱、その他の一般的な予想に急接近しなかったことを嬉しく思う」

「こんなに崖っぷちな場面で終わるとは思ってなかったよ😭。コーディはどこだ!?奴らはタンティス山でクローンに何してるんだ!?オメガの姉!?疑問は、また別の機会に持ち越し。とにかく、この2つのエピソードはとても素晴らしい回だった。さらばテク😔。
PS:ソウ・ゲレラとシドはクソだ。皆、二人を嫌っている。」

「シーズン3が早く来ることを願っているぜ!」

「これが、最高の”バッド”エンドってね」

あらすじ

惑星エリアドゥのターキン総督の要塞からの脱出途中に、バッド・バッチ一行は空中のレールカーの中に閉じ込められた。テクは状況を打開しようと奔走するが、攻撃の余波で宙づりに。そして、自分を助けようとすれば、仲間が道連れになってしまうことを悟った。テクは、「命令」を無視して自らを犠牲にすることを選んだ。

テクの犠牲で、レールカーは動き出し、やがて駅に激突。一行は大けがを負いながらも、脱出に成功した。治療を受けるためにAZI-3の居る惑星オード・マンテルのシド(シダリン・スケールバック)のバーへと逃げ込む。目を覚ましたオメガは、テクの死を受け入れられない。ハンターは、彼の死を無駄にしないためにも、兵士を辞めようと語り掛ける。

しかし、悲しむ間もなく、オメガをつけ狙うヘムロック博士率いる帝国がやってくる。シドが彼らの居場所を帝国に売ったのだ。分隊長のハンターは、オメガに逃げるように「命令」し、自分はレッカーを守るために帝国に捕まった。しかし、オメガはテクと同様に命令に従わない。自ら帝国の前に姿を晒し、エコーが到着するまでの時間稼ぎを試みる。だが、まだ子供の彼女は、クローン・コマンドー相手にあっさりと捕まってしまうのだった。エコーがウォーカーを奪ったことで、ハンターとレッカーは帝国から解放された。しかし、オメガは連れ去られてしまう。オメガの居なくなった船内で、三人は彼女の救出を固く誓う。

タンティス山に連れてこられたオメガ。彼女は、ナラ・セが自分を連れてきたと思っており、状況が理解できていない。そんな彼女が通されたのは、謎のラボ。そこでは、クロスヘアーが眠らされていた。そして、科学者の女性エメリー・カーは、カミーノアンではなく、自分を信じるべきだと告げる。彼女は、オメガの「姉妹」なのだ・・・。物語は続く。

「帝国の逆襲」


今回の『バッド・バッチ』は、全体的に『EP5/帝国の逆襲』を意識した内容となっていた。信頼していたならず者(シド/ランド)から裏切られ、大切な仲間(オメガ/ハン)が連れ去られ、残された者は仲間の奪還を誓う。物語は暗いまま終わっていく。

ここからの展開は、『EP6/ジェダイの帰還』と似たようなものになるだろう。ただし、同作ほど明るくなるとは思えない。また、ランドとシドが重ねられていることを考えると、シドにも贖罪のチャンスはありそうだ。

プラン99


前回の冒頭から嫌な予感がしていたが、今回テクは「プラン99」を実行して、自らを犠牲にして仲間を救うことを選び、落下していった。スター・ウォーズの定石では、「落ちた人間は、死んでいない」のだが、状況を考えれば絶望的だろう。

テクは、今シーズンの主役とも言える存在だった。第二話では真っ先に戦争以外の生き方があることを学び、第四話ではレース場という新たな場所で才能を開花させた。恋愛関係とまでは言わずとも、フィーと良い仲になっており、兵士を辞めた後の彼の未来が期待されていた。

また、テクの個性の描かれ方も興味深かった。第九話でバッド・バッチの在り方について衝突した際に、こう心の中を打ち明ける。「僕は気持ちや思考の処理方法が普通とは異なるけど、感情はあるんだ」。この台詞は、テクがギフテッドや発達障害の気があることを示唆しているものだった。そして、バッド・バッチという家族は、互いの個性を尊重して進んできた。だからこそ、テクは最後まで命令ではなく自らの選択を信じることが出来た。その結果が「プラン99」による自己犠牲なのだ。バッド・バッチの在り方が分かるシーンだった。

バッド・バッチの未来


テクの犠牲を受けて、ハンターは長い間保留してきた決断を下す。彼は、オメガと共に兵士を辞めて、惑星パブーに移住するつもりだ。何度も繰り返してきたが、やはり「故郷で新たな人生」を送ることが、今シーズンのゴールだったのだ。

と思ったのもつかの間、オメガは帝国によって連れ去られてしまう。やはり銀河の情勢が彼らを平穏な日常から遠ざけていく。ハンター、レッカー、エコーは彼女の救出を誓い、再び戦いへと身を投じていく。オメガは、帝国の施設へと捕らえられ、謎の姉妹とクロスヘアーの間で板挟みになる。課題が山積みの終わり方だ。

残された謎を考察:スローン三部作との繋がり


今シーズンは、明らかに次のシーズン3を意識した作りであり、多くの謎が残された。シーズン3に向けて、伏線であろう謎を振り返っておこう。

一点目。第七話に登場した異質なクローン・トルーパーは何だったのか?エコーたちを襲撃したクローン・トルーパーは、自らを「信じる者」と呼び、捕まるよりも自殺を選んだ。認識番号も持っていなかった。洗脳されたクローンにも思えるが、クローン技術を研究しているヘムロック博士が関わっていると考えると・・・。帝国は、新たなクローン・トルーパーの作製に成功したのかもしれない。

二点目。ヘムロック博士の研究は具体的になんなのか?第十一話のジロ・ビーストの登場でもほのめかされたように、カミーノアンの技術を応用して、クローン技術の改良に取り組んでいることはわかる。しかし、どのような方法で?『マンダロリアン』S3第三話にも登場した、スノークやパルパティーン皇帝の息子を作成したストランド=キャスト技術の研究なのだろうか?

三点目。科学者のエメリー・カーが、オメガの姉妹というのはどういうことなのだろうか?オメガらが存在を知らない帝国の科学者が、カミーノで作成されたとは思えない。しかし、彼女はオメガよりも遥かに年上に思える。

以上の謎を踏まえて考えると、ヘムロック博士はレジェンズ(旧設定群)の小説「スローン三部作」に登場したスパーティ・シリンダーを完成させようとしているのではないだろうか。スパーティ・シリンダーは、カミーノアンでも2倍が限界だった成長速度を、20倍にする技術だ。わずか一年でクローンは大人へと成長し、短期間で圧倒的な戦力を得ることが出来る。

そうだと考えれば、全ての謎が解ける。第七話のクローンは、スパーティ・シリンダーで急成長した次世代のクローン。ジロ・ビーストもスパーティ・シリンダーで作成されたため、急激に成長した。エメリー・カーも帝国が生み出したクローンで、成長速度が速いために大人の体へとなっていた。そもそも、ヘムロック博士の研究所のタンティス山という名前は、スローン三部作でスパーティ・シリンダーが眠っていた場所の名前と同じだ。そして、このスパーティ・シリンダーの技術は、後のストランド=キャスト技術にも関係するのではないだろうか?

説得力がある考察だと私は考えているが、いかがだろう?答え合わせには、あと一年ほど待たされそうだ。クローン技術の未来にも、バッド・バッチという家族の行く末にも期待したい。

豆知識

新型ウォーカー


おなじみのAT-STの前身となる二足歩行のウォーカーが初登場した。その名前は、AT-ACだ。

プラン99


テクは、自らを犠牲にする計画を「プラン99」と呼称していた。99という数字は、バッド・バッチの正式名称「クローン・フォース99」と同じだが、元をたどれば、自らを犠牲に兄弟を救った奇形のクローン99に由来する。今回のプラン99が、この99という人物に由来するであろうことは、公式の解説でも示唆されている。

  
    【海外の反応・レビュー・豆知識】
        第十六話「プラン99」(ここ)
  

筆者:ジェイK(@StarWarsRenmei

画像は、『バッド・バッチ』(2023年、ルーカスフィルム)より。ユーザー評価は、記事執筆時点。出典 出典

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ジェイK
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