【海外の反応・レビュー・豆知識】『バッド・バッチ』シーズン2 第三話「孤独なクローン」【ネタバレ】

2023/01/12

バッド・バッチ レビュー

t f B! P L

 

クロスヘアーと話すコマンダー・コーディ


  • 第三話「孤独なクローン(The Solitary Clone)」
  • 評価: ★9.0/10(IMDbユーザー評価)


海外の反応


「コーディの離脱は本当なのか?それともランパートが彼をどこかの独房に閉じ込めたのか?」

「脚本家はコーディに道徳心を持たせた。コーディは、自由の身だ」

「コーディが帝国から離脱するのを見るのは予想外だった。だが、それが起こってうれしい」

「レックスと一緒にいないクローン、今まで離反した別のクローンたちはこのアニメで殺されると思う。コーディがレックスと別々の行動を選ぶとは思えない」

「オーダー66の後のコマンダー・コーディを見るために15年も待っていた。俺の子供の頃の夢だったんだ」

「これこそ、私がこのアニメに求めていたエピソードだ。今シーズンはもっと帝国とクロスヘアーの視点のエピソードを増やして欲しい」

「エンディングが、本当に驚異的だった」

「この番組の背景画の豪華さには、畏敬の念を抱くよ」

「アニメーションチームを賞賛したい。街の銃撃戦は、このアニメで最も優れたアクションシーンだった。ただの立って撃つという退屈なアクションではなく、武器や相手の弱点を利用した創造性に富んでいた」

「コーディが分離主義者の総督と交渉してる姿を見れば、オビ=ワンがどれだけ誇りに思っただろうか」

「『クローン・ウォーズ』の悪夢バージョンのようなエピソードだった。
だが、コーディは素晴らしい。ドロイドを刺し殺す!効果的な人質交渉をする!帝国を脱走する!素晴らしい。
あと、ランパートの野郎は、わざとクロスヘアーの食事を邪魔してるかな」

「このエピソードはとても奇妙だ。『クローン・ウォーズ』のようだが、ヒロイズムや勝利がなく、少しずれている。クローンは、より機械のようで、口数や表情がない。オーダー66以降の銀河の姿に完璧にマッチしている」

「コーディが『EP3/シスの復讐』以降に、登場するのは時系列的には初めて。不思議な感じ。
こんなに早く離脱するのは、少し残念だ。彼は、帝国内でより地に足の着いた見方をしていて、クロスヘアーの直感的な見通しとは対照的であることを期待していたが。
また、コーディが最後に言った<自分がした選択と共に生きていかなければならない>という言葉が胸に響きました。銀河系が変わる瞬間には選択肢がなかったのに。抑制チップに洗脳されて、そう考えるようになったんだろう。悲しいね」


あらすじ


孤独なクローンのサムネイル


惑星デシックス。銀河帝国は、この辺境の地まで支配を広げようと目論み、ダロットン総督を送り込んだ。しかし、現地の総督のトーニ・エイムズは帝国の支配を拒否。分離主義者の軍隊を再起動させ、帝国の新総督と兵士を人質として捕らえた。ランパート中将は事件を受け、元バッド・バッチのクロスヘアーコマンダー・コーディから成るグループを惑星デシックスに送り込む。

オーダー66でオビ=ワンを裏切ったコーディは、今ではその命令に疑問を抱いていた。戦没兵碑の前で、疑問を持つクローンが増えていることをクロスヘアーに告げる。堅物なクロスヘアーは「そいつらはジェダイと同じ裏切り者だ」と返す。コーディは逡巡の末、いつもの言葉を自分に言い聞かせるように繰り返した。「優秀な兵士は、命令に従う」。


ヘルメットを被ったクロスヘアーとコーディ


外交使節を装っての奇襲作戦だったが、その計画は惑星デシックス側もお見通しだった。戦術ドロイドの指揮の下、対空砲でシャトルを墜落させ、半数を死傷させる。さらに、戦車やドロイデカも用意していたが、クロスヘアーの超人的な射撃能力や歴戦のクローン・トルーパーたちの活躍で防衛線は突破されていく。

道中、コーディは親子を見かけ、「助けに来た」と声をかける。だが、親子は拒絶。今や、コーディたちクローン・トルーパーは、帝国の手先であり、恐怖を与える侵略者だ。それでも、兵士として任務を達成するために、戦略ドロイドを倒すべく、クロスヘアーと共に階段を上る。連携プレーによる跳弾で、戦術ドロイドの破壊に成功し、二人の間には絆が芽生えつつあった。


交渉を試みるコーディ


トーニ・エイムズは、ダロットンを人質に最後の交渉を試みる。彼女の目的は、惑星デシックスの独立維持だった。侵略者に対して、自衛を試みているだけ。コーディは、「帝国は銀河に平和と秩序を確立させる」と説き伏せようとする。だが、ドゥークー伯爵を信じ、かつての和平案が潰されたのは、共和国側のせいだと信じて疑わないエイムズは聞く耳を持たない。「和平は選択肢になかった」と言い放つ。

コーディは、和平の可能性を示すため、自ら武器を置いた。「戦争ではあまりにも多くの血が流れた。住民のためにも、平和的に解決しよう」。エイムズは心を動かされ、人質を解放する。だが、解放されたダロットン新総督は、卑劣な命令を下す。「彼女を射殺しろ!命令だ!」。コーディは抵抗するが、クロスヘアーは命令に従った。

惑星デシックスは、帝国の占領下に置かれた。帝国軍兵士は、一般人に銃を向け、人々の生活圏に土足で立ち入る。コーディが声をかけたあの親子の家にも、帝国軍がずかずかと侵入していく。帝国軍人のコーディは、それを止める立場にない。


クロスヘアーと決別するコーディ


戦没兵碑の前。クローン大戦で流された血の量を意識しながら、コーディはクロスヘアーに語り掛ける。「新たな帝国は、銀河をよりよくできるのか」。「考えないのであれば、それはバトルドロイドと同じだ。俺たちは、自分自身で道を選べる。そして、責任も背負っていく」。そう告げた後、コーディは帝国軍と決別した。独り残されたクロスヘアー。バッド・バッチからも、一般クローンからも受け入れられない彼は、さらに孤独を極めていく・・・


レビュー


『クローン・ウォーズ』の続編として、圧倒的な存在感を放つ暗い一話だった。『クローン・ウォーズ』と同じように、クローン・トルーパーが活躍するが、素直に応援できない。戦争の現実を突きつけられ、今まで彼らを応援してきた無邪気な自分を考えさせられる。

戦争における絶対的な善など存在しない。今回登場した惑星デシックスの総督トーニ・エイムズも、善人と呼んで差し支えない人物だろう。だが、ドゥークー伯爵を未だに信じていることからもわかるように、戦争で目が曇っている。戦争は、どちらも自分が正しいと考えこむことで、泥沼化する。その悪循環を避けるためには、コーディのように対話を試みるしかない。だが、もう遅すぎる。銀河帝国が勝者となってしまった今、状況は悪化していくばかりだ。


慰霊碑の前に立つクロスヘアーとコーディ


コーディは帝国の悪事に手を貸せない。かといって、再びの戦争を望んでいるわけではない。コマンダーとして、多くの「兄弟」を死地へ導いた彼は、安易な選択を取ることはできない。戦没者の慰霊碑が、コーディに無言の圧力をかける。

コーディはオーダー66が、抑制チップによって引き起こされたという真実を知らない。だから、オーダー66に従ったのは自分の自由意志だと考え、その仕組まれた「運命」の責任を引き受けようとする。その姿は、ダース・ヴェイダーとも重なる。彼は「ドロイドとは違う自由意志」で、どのように決断の責任をとるのだろうか。帝国から離脱したとしても、その未来は不透明だ。




一方、クロスヘアーは帝国に残る。シーズン1の最終話で、彼は仲間に「俺はもう決断した」と語っている。帝国の中で孤立していくことが、彼なりの責任の取り方なのだろう。上司のランパート中将は、バッド・バッチの生存を知り、彼のことを疑っている。一般のトルーパーたちは、彼に近づこうともしない。それを罰として彼は甘受するのだろうか。クロスヘアーの頑固な性格を、シーズン1のテクや今回のコーディは「生まれつきのデザインだ」と評した。だが、本当にそうなのか。クロスヘアーには、自らを自分の意志で変えるチャンスはないのだろうか・・・


豆知識

コーディのアーマー


今回、『シスの復讐』以降のコマンダー・コーディが初めて描写された。そのアーマーの色は、共和国軍時代の黄色から、灰色へと変化している。ジェダイの影響が取り除かれた帝国軍は、クローン・トルーパーの没個性化を推し進め、カラフルなアーマーを廃止した。

TKトルーパー


新総督と共に、惑星デジックスの占領に投入されたのは、前シーズンに登場したTKトルーパーたち。ウォー=マントル計画の産物である彼らは、クローンではなく、一般の人間の兵士で構成されている。

戦没兵碑

戦没兵碑

コーディとクロスヘアーの会話の背景に置かれていたのは、兵士の慰霊碑である戦没兵碑。この慰霊碑は、『クローン・ウォーズ』シーズン5の第18話「真実の行方」にて初登場した。解説によると、ジオノーシスの戦いで亡くなったクローンの名前が、ジオノーシスの石に刻まれている。名前はランダム化されており、読み解くのは困難。

分離主義者のドロイドたち

惑星デシックスの戦いでは、B1バトルドロイドやドロイデカ、BXバトルドロイドなどが、クローン・トルーパーたちと戦った。彼らは、『クローン・ウォーズ』でもおなじみの分離主義者のドロイド。『EP3/シスの復讐』でシャットダウンされたはずだが、何らかの方法で再起動したようだ。

エイリアン

惑星デシックスでは、『クローン・ウォーズ』でもおなじみの多様なエイリアンを垣間見ることが出来た。確認できただけでも、アルコーナやアクアリッシュ、ローディアンが登場している。

ミーナ・ボンテリと和平案

ミーナ・ボンテリと、パドメ

惑星デシックスの本来の総督トーニ・エイムズは、クローン大戦中にミーナ・ボンテリと共に和平案を作ったが、最高議長に拒絶されたことが語られた。この話の詳細は、『クローン・ウォーズ』シーズン3の第10話「分離主義者の友」で描かれている。エイムズは知らなかったが、この和平案は、パルパティーンとドゥークー伯爵のシスの師弟によって握りつぶされた。



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筆者:ジェイK(@StarWarsRenmei

画像は、『バッド・バッチ』(2023年、ルーカスフィルム)より。ユーザー評価は、記事執筆時点。出典 出典

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