【感想・考察・豆知識】ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』パート5

2022/06/16

オビ=ワン レビュー

t f B! P L


今までに引き続き、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』のパート5の感想・考察・豆知識をネタバレありで書き連ねていく。今回は、全体的に評価の高い回であった。今までよりも、映像面が改善したとの意見が多く、確かに、オビ=ワンvs.アナキン、ヴェイダーvs.リーヴァは、SW史に残る素晴らしいデュエルだった。ストーリーも、”第5話”である『帝国の逆襲』に沿ったものだったが、新鮮味があった。やはり、シリーズもののドラマを、序盤だけで評価してはならない。

リーヴァの過去

壁越しの対話は、リーヴァの”心の壁”を視覚的に表す

 新たな悪役リーヴァの過去が明かされた。大方の予想通り、リーヴァは、聖堂陥落時にヴェイダー(アナキン)に襲われたジェダイ候補生だった。尋問官となった目的も、予想通りヴェイダーへの復讐だった。そして、その復讐の対象は、彼女たちを救うことが出来なかったジェダイのオビ=ワンにも及んでいる。

ホラー風のヘイデン ヴェイダーは、恐ろしかった

 リーヴァの過去は、悲しいもので、彼女には同情せざるを得ない。しかし、今までの描写からわかる通り、リーヴァは、善人ではない。もちろん、オビ=ワンからの共闘の呼びかけに耳を貸すあたり、彼女なりに、”家族”を思う心は残っていそうだ。それでも、復讐に囚われている点からして、もはやジェダイではない。

 今回、リーヴァはヴェイダーへ挑むも、完敗する。彼女は、これからどうなるのだろうか。ルークを使った復讐を企て、最期はルークに希望を託して死んでいくという展開も考えられる。だが、個人的にはアナキンと同じような道は、歩んでほしくはない。アナキンとは違って、最期まで救われない悪役が居てもいいのではないだろうか。または、生き延びて、贖罪の道を歩んでも面白いかもしれない。

オビ=ワンの復活

オビ=ワンの目には、今や闘志が宿っている!

 パート4に続き、オビ=ワンは、ジェダイらしい活躍を見せる。壁にあった「光が忘れられることはない」という言葉を胸に、ジェダイのローブに再び袖を通し、帝国に立ち向かう。反乱分子パスのメンバーを鼓舞する姿や、的確に時間稼ぎを行う描写は、アニメ『クローン・ウォーズ』で、彼がジェダイ将軍として活躍していた過去を思い起こさせた。彼は、ターラをはじめとした仲間の思いを引き継ぐために戦う。

 そんな彼でも、「アナキンに死んでほしいのか」というリーヴァの問いには即答できない。その心には、まだ迷いがある。ヴェイダーを倒さなくてはならないとわかっていても、“アナキン”を殺したくはない。だからこそ、『EP4/新たなる希望』では、「アナキンは、ヴェイダーに殺された」と思い込もうとしているのだろう。

オビ=ワンは、これからのリーヴァにどう接するのか

 また、オビ=ワンは、リーヴァの復讐心を、逃げるために利用した。年齢差や立場を考えれば、オビ=ワンは、リーヴァを導き、救うべきだ。それでも、今戦うために、非情にならざるを得ない。

 一筋縄ではいかない過去や現実を抱えるオビ=ワン。もはや、彼にジェダイとしての道を全うすることは出来ないのかもしれない。だからこそ、オビ=ワンには、「新たなる希望」のルークが必要なのだろう。

オビ=ワンとアナキン

光るライトセーバーでの撮影のメリットが存分に活かされていた

 今回の冒頭のシーンは、多くのファンを興奮させた。EP2近辺の、まだ師弟だったオビ=ワンとアナキンの訓練の様子が描かれた。オビ=ワンは、この時のことを思い出しつつ、ヴェイダーの動きを巧みに読み取る。

 アナキンが訓練中に攻撃を好んでいたことを思い出せば、ヴェイダーが攻撃に出ると予想した。アナキンが勝利に盲目的にこだわり、力を誇示する癖があることを思い出せば、ヴェイダーに偽の船を破壊させて隙を作りだした。かつての師匠だからこそ、使える戦略だった。そして、ヴェイダーにアナキンを見出してしまうオビ=ワンだからこそ、ヴェイダーを殺せないのだ。

この台詞も矛盾とされていたが、解消されそうだ

 回想シーンで、オビ=ワンは、こう語る。「力を誇示する癖を直さなければ、お前はパダワン見習いのままだぞ」。今回、まんまとオビ=ワンの策略に乗ってしまったヴェイダーは、まだ“見習い”の身なのだろう。ヴェイダーも、それを自覚したからこそ、『EP4/新たなる希望』でオビ=ワンに、「かつての私は見習いに過ぎなかった。だが今ではマスターだ」と語るのではないか。

ヴェイダーとアナキン


40を超えても、青年を演じられるのは、凄い

 パート5で最も巧みだったのは、アナキンとヴェイダーを重ね合わせる描写だ。『EP3/シスの復讐』のアナキンと、『EP4/新たなる希望』のヴェイダーが別人のように見えてしまう部分を、たった一話で解決した。まさに、エピソード3.5にふさわしい内容だ。


二刀流ヴェイダーは、もっと見たかったかも

 上述したように、ヴェイダーには、オビ=ワンの弟子だった、"アナキン"の頃の癖が残っている。しかし、同時に、圧倒的な力を持つマスターでもある。ヴェイダーは、リーヴァの動きを全て察知し、彼女の裏切りも自身のライトセーバーを使わずに圧殺する。

 未熟だったアナキン。恐怖の象徴であるヴェイダー。どちらの一面も、この一話で垣間見ることが出来た。アナキンとヴェイダーの繋がりが一層強調され、『EP6/ジェダイの帰還』のアナキンの帰還が、より感動的となった。

予想:最終回 “第6話”

 ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』も、いよいよ来週で最終回だ。寂しさと同時に、完結するという喜びもある。妄想できるのもあと少しなので、最終話に対する私の予想(願望)を書き連ねておく。

これが、フェイクだとは考えにくい

 ルークの存在を知ったリーヴァは、タトゥイーンを再訪し、彼をさらう。リーヴァの目的は、ルークを使ってオビ=ワンをおびきだし、ヴェイダーと激突させること。その隙にヴェイダーを倒すつもりだ。まんまと誘い出されたオビ=ワンは、コンセプトアートで描かれたように、惑星ムスタファーで、ヴェイダーと激突する。そして、一時的に、同じ目的を持つリーヴァと共闘し、ルークを救い出す。だが、リーヴァは、ヴェイダーに捕まる。リーヴァは、ルークがアナキンの息子であることに気づいていたが、そのことを明かさず、ヴェイダーに殺される。彼女は、希望をルークへと託した(結局この展開がアツい)。

この明らかな伏線は、回収されるだろう

 オビ=ワンは、ルークに買っておいた玩具を渡す。双子の太陽へと歩むルークを、オビ=ワンは見守る。アナキンを救うことも倒すことも出来なかったが、今の彼には“希望”が居る。転換し、夜のオルデラン。星を眺めるレイア。「オビ=ワン・・・」。ポツリと彼女は、”ベン”の本名を口にした。伝説のジェダイから勇気を得た彼女は、議員として全ての星の人を救おうと夢見る。そこには、もう一つの“希望”が居る・・・。

この物語の諸悪の根源は、皇帝パルパティーンだ

 完全な妄想で、ベタな展開だが、実際にこうなったら感動するだろう。ムスタファーでの決闘や、オビ=ワンが玩具を渡すシーンやが実現するのは、まず間違いない。あとは、"Hello there"をいつ言うか・・・。今までの傾向や、脚本家の発言からして、パート6は、『エピソード6/ジェダイの帰還』をなぞった内容になるはずだ。登場をほのめかしていたので、もしかしたらイアン・マクダーミドがパルパティーン皇帝として登場するかもしれない。そして、EP6の構図が再現され、救ったルークと救えなかったオビ=ワンが対比される・・・?とにかく、楽しみだ。

豆知識

殺陣


オビ=ワンとアナキンの訓練シーンの殺陣は、全体的に『EP3/シスの復讐』のムスタファーの戦いを彷彿とさせるものだった。来週、ドラマで起こるであろうムスタファーでの再戦への布石だろうか?類似点をすべて列挙はしないが、探してみても面白そうだ。


大尋問官のバッジ
ドラマで、大尋問官(パウアンの)が身に着けていた尋問官のシンボルは、大尋問官の地位を表すことが判明した。最終的に、大尋問官(パウアン)がバッジを取り戻す。ただ、アニメ『反乱者たち』では、身に着けていなかったが・・・。

おなじみのドロイド


スター・ウォーズ公式が開催した「BUILD MY DROID」コンテストで見事優勝に輝いたKP-1が今回で実写化した。また、アストロメク・ドロイドのR2シリーズ・ドロイドの活躍もみられる。


壁の文字


ジャビームのパスの基地の壁には、SW世界の文字であるオーラベッシュで様々な言葉が刻まれている。内容は、ジェダイの決まり文句や、生き残ったジェダイの名前など。


惑星ガレル

ターラは、惑星ガレルで、フォース感知者の家族を殺したことがきっかけで、帝国に幻滅したという。惑星ガレルは、アニメ『反乱者たち』に登場した惑星。惑星ロザルの近くであり、一時期、反乱分子が秘密基地を置いていた。


おなじみのエイリアン

ジャビームの基地の中では、ファンにとっておなじみのエイリアンが多数登場した。トランドーシャン、ニクト、ターサントなど。


ハジャ・エストリーと母子

オビ=ワンは、ジャビームの基地で、ハジャと再会する。ハジャがダイユーから逃がした母子の姿もある。この子どもの名前は、「コラン」であり、レジェンズで、ルークの戦友となった大物ジェダイ、コラン・ホーンを彷彿とさせる名前だ。


E-5ブラスター・ライフル

 NED-Bは、ストームトルーパーとの戦いで、E-5ブラスターを使用していた。これは、クローン大戦中にB-1バトル・ドロイドが使っていたもの。


サーマル・デトネーター

ターラは、最期にサーマル・デトネーター(熱爆弾)を使用し、自爆することで、ストームトルーパーたちを足止めした。『EP6/ジェダイの帰還』では、ブーシに扮したレイアがこの爆弾を使ってジャバを脅していたが、改めてその威力が示された。


ラムダ級T-4aシャトル

ダース・ヴェイダーは、惑星ジャビームにT-4aシャトルで着陸する。このシャトルは、インペリアル・シャトルとしても知られる機種で、『EP6/ジェダイの帰還』では、ダース・ヴェイダーやパルパティーン皇帝、そして、エンドアへと潜入する反乱同盟軍の一味が乗り込んだ。


制御ボルト

レイアは、暴れるローラから、制御ボルトを外し、彼女を正気へと戻す。制御ボルトは、その名の通り、ドロイドを制御するための装置で、『EP4/新たなる希望』では、C-3POやR2-D2に取り付けられた。


フォースで船を止める

ダース・ヴェイダーは、発着場から飛び立とうする船をフォースで止める。この技は、アニメ『クローン・ウォーズ』や映画『スカイウォーカーの夜明け』、アトラクションの『スターツアーズ』等でも見られるものだ。


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画像は、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022年 Lucasfilm)より引用

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