【感想・考察・豆知識】ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』パート1

2022年5月29日日曜日


 

ついにドラマ『オビ=ワン・ケノービ』が配信開始となった。その出来栄えにファンは歓喜し、この作品は「エピソード3.5」だとの声も上がっている。今回は、この名作ドラマの印象的な点を、ネタバレありでご紹介する。



オビ=ワン・ケノービ


”痛み”が伝わる演技だった

 まず、ユアン・マクレガーの演技が素晴らしかった。ユアン自身が提案した「失意の中にある男」という設定により、オビ=ワンの新たな一面が描き出されている。このドラマを見た後では、EP3の悲劇、そしてEP4の「新たなる希望」への思い入れが、より強まるだろう。


 オビ=ワンは、『最後のジェダイ』のルークのように、まさに失意の中にある。自分の匂いすら気にせず、ただ糧を得るために、肉体労働者としての日々を繰り返す。仲間の賃金が不当に下がっても、助けようとしない。彼自らの口から語られていたように「十年前の彼とは違う」存在で、もはやジェダイとも呼べない。


ジェダイの心を忘れなかったナリは、真のジェダイだ

 そのことは、若きジェダイのナリの登場によって強化される。ナリは、ジェダイの心を捨てきれず、慈悲を見せることで、帝国に見つかってしまう。だが、オビ=ワンはそんなナリを冷たく突き放す。「砂漠にライトセーバーを埋めて一般人として生きろ」と。そこには、英雄だったオビ=ワンはもういない。結果、ジェダイのナリは殺されてしまう。


オビ=ワンが再びライトセーバーを持つシーンには興奮した


 そんな彼も、旧友ベイル・オーガナの来訪によって、再び戦うことを決める。一度はルークを守る役目を言い訳に、救助の任務を固辞するが、来訪したベイルはそんな彼の行動の核心を突く言葉を発する。「間違いは過去だ」。オビ=ワンはルークを守っていると自分に言い聞かせていたが、ただ過去への罪悪感と現実から逃げていただけなのだ。その言葉を胸に、オビ=ワンは再び、パドメのために立ち上がる。英雄としてのオビ=ワンの戦いが再び始まる・・・。


レイア・オーガナ


レイアと共にいるドロイドの名前は、ローラ(L0-LA59)

 レイアとオルデラーンの登場は、大きなサプライズだった。だが、『EP4/新たなる希望』でオビ=ワンを再び冒険にいざなったのが彼女であることを考えると、今回の登場も不思議ではない。


 子役のヴィヴィアン・ライラ・ブレアは、まさにレイアに見えた。頑固さや自由奔放さ、そして従兄弟を”論破”する部分など、まさにレイアだ。森を退避場所にしていたという設定も、スピンオフのコミックに由来し、ファンとも解釈が一致している。


 父アナキンと娘レイアが重ね合わせられていたのも印象的だ。「囚人みたいに星を出られず、ただ空を眺めることしかできない」点は、同じぐらいの年齢だったEP1のアナキン少年と重なる。


ベイル・オーガナも株が上がったキャラの一人だ


 今回のドラマは、レイアの成長物語でもあるのだろう。将来議員になることや、父母と血がつながっていないことを気にする彼女は、冒険を経て、どのような結論に至るのだろうか。EP4で「ベン」という名前に即座に反応できた理由、EP6で母パドメについて覚えていると語った理由、息子の「ベン」という名前に込めた気持ちなどが明かされるかも注目したい。


リーヴァ


「家族」を巡り、オーウェンとは、再会しそう・・・

 新登場した尋問官、リーヴァは、”狂犬”という印象だった。秩序だった行動をとる他の尋問官とは対照的に、感情的に攻撃性をむき出しにする。何が彼女を駆り立て、何が彼女をオビ=ワンに執着させているのだろうか。


EP2でもヨーダがイニシエイトを訓練していた


 ヒントになりそうなのは、冒頭のオーダー66のシーンだ。ここには、リーヴァと思しき少女がいる。彼女は、ジェダイ聖堂が陥落したとき、その場にいたようだ。どうやって生き延び、どうやって闇の尋問官に加わったのか。ここに、全てのきっかけがあるのかもしれない。最終的には光に再転向し、ゲーム『フォールン・オーダー』とネタかぶりするのでは、という懸念する声もあるが、今後背景が明かされていくにつれ、リーヴァは魅力的なキャラとなりそうだ。


「父親のようにか」


オーウェンおじさんの覚悟がにじみ出ていた

 今回で最も株が上がったキャラは、オーウェン・ラーズだろう。オビ=ワンやリーヴァに対して、一歩も引かずにルークを守ろうとする姿からは、血は繋がっていないものの、”父”としての意地を感じた。


 オーウェンは、オビ=ワンがルークに渡した玩具を突き返す。この玩具は、ルークがEP4で持っていたもののようだ。ルークに宇宙について興味を持ってほしい、ルークを訓練したいと考えているオビ=ワン。だが、オーウェンは冷たく言い放つ。「父親のようにか」。オビ=ワンは押し黙る。


未だに心に残る名シーン


 この台詞を聞くと、EP6のルークの台詞を思い出す。「僕はジェダイだ。かつての父のように」。このオーウェンの懸念には、後にルークが答えることになる。オビ=ワンは、弟子を再び間違った道に進ませることはなかった。


 もちろん、オーウェンも悪人ではない。リーヴァから脅されても、オビ=ワンを売ろうとはしない。「害虫が農場に入れば駆除する」と語る彼だが、その言葉の裏を返せば、農場に近寄らない限りは手を出さない。オーウェンは、オビ=ワンに対し、一定の尊敬の念を抱いているのだろう。


 玩具がオビ=ワンの手に戻ったことにより、このドラマの終わり方も見えた。オビ=ワンがこの玩具をルークに渡し、そして希望も託するシーンで物語は終わるだろう。


二本のライトセーバー

”きょうだい”のライトセーバー

 オビ=ワンが、二本のライトセーバーを掘り起こすシーンでは、誰もが『EP9 スカイウォーカーの夜明け』のレイを思い出すだろう。意図的な演出のように思われる。


 やはり、レイアのライトセーバーには、オビ=ワンのクリスタルが使われているのではないか。策略に引き裂かれた師弟という“兄弟”のセーバーが、双子の“兄妹”を経て、フォースの“兄妹”に渡り、策略を仕掛けた張本人であるパルパティーンを倒す。そして、役目を終えた二本は、タトゥイーンの砂漠へと帰還する。これ以上の綺麗な終わり方はない。


 今回、オビ=ワンとレイアの繋がりが、明らかとなり、より一層その可能性が高まった。


小ネタ

C-3POとR2-D2


オルデラーンのシーンでは、スター・ウォーズを象徴するコンビ、C-3POとR2-D2が登場した。それぞれ別のシーンだったが。チラ見せだったので、見逃した方は、探してみてほしい。


パーギル

ベイル・オーガナの口から、パーギルという単語が発せられた。これはアニメ『反乱者たち』に登場した宇宙を旅するクリーチャーだ。


イオピー

オビ=ワンは、イオピーというクリーチャーで移動している。EP1で初登場したこの生き物には、アナキン少年も乗っていた。ちなみに、このシーンの撮影ではラクダが使われているそうだ。


T-16 スカイホッパー

前述したが、EP4でルークが持つT-16スカイホッパーの玩具が、オビ=ワンのプレゼントだったと判明した。45年の時を経ても、スター・ウォーズでは新たな発見がある。


フリー

伝説的なロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)のメンバーであるフリーが、レイアをさらう賞金稼ぎのリーダーとして登場した。俳優を兼業していることもあり、優れた演技だった。レッチリは、今作の監督デボラ・チョウと協働したことがある。



残りは4話もある!ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』をまだまだ楽しめそうだ。


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【レビュー&小ネタ】ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』

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【海外の反応】ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』


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画像は、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022年 Lucasfilm)より引用

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