【感想・考察・豆知識】ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』パート3

2022年6月4日土曜日


パート1パート2に引き続き、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の感想、考察、豆知識をネタバレありで書き連ねていきます。今回のパート3は、映像面では粗が目立ったものの、十分に楽しめる一話でした。


 

リーヴァの野望

尋問官も、ヴェイダーを恐れており、目標は彼の傍に立つこと

 相変わらず、周りの尋問官へ敵対心をむき出しにするリーヴァ。今回、彼女の目標が「大尋問官になり、ヴェイダーの横に立つこと」だと判明した。

 しかし、なぜリーヴァが、大尋問官を目指しているのかは、はっきりとは分からない。殺された(?)大尋問官は、知識を求めてその地位についたが、彼女は何を求めるのだろうか。フィフス・ブラザーが「私もお前も相応しいものを得る」と言った時に、「それを望んでいる」と返したのは、ヒントになりそうだ。

 リーヴァは、ヴェイダーに復讐するために、オビ=ワンを差し出して、近付こうとしていると私は予想している。オーダー66当時、聖堂に居た彼女は、友人であり家族だった仲間が、ヴェイダーに殺されたところを目撃し、恨んでいるのではないか。ジェダイの道を捨ててでも、復讐を果たしたいのではないか。

 この説では、ヴェイダーの正体がアナキンだと知っている理由、オーウェンに向かって「家族は大事だ」と語った理由も説明できる。また、仕方なく尋問官になった『フォールン・オーダー』のトリラとも違ったキャラクターとなれる。

 そして、最期は、シス打倒の夢を“新たなる希望”のルークに託し、庇って、死を受け入れれば、綺麗なオチにはなるだろう。

クインラン・ヴォスの帰還

レジェンズのコミックより

 今回、オタクから絶大な支持を得るキャラクター、クインラン・ヴォスがジェダイ保護のネットワーク、「パス」で現在も活動していることが明かされた。クインランは、レジェンズ(旧設定)時代のコミックから登場したキャラクターで、アイラ・セキュラのマスターだ。

 正史でも、重要なキャラクターであり、小説では、ドゥークー伯爵の元弟子であるアサージ・ヴェントレスと恋仲になっている!ドゥークー伯爵暗殺のための潜入で、クインランは闇に堕ちるが、ヴェントレスが命を落としてまで彼を救い、結果、光へと帰還した。光も闇も知るクインランが、今もジェダイとして活躍していることには大きな意味がある。

オビ=ワンは、フォースと一つになる真の”道”へと進んだ

 ジェダイの道を見失っているオビ=ワンは、クインランの残したメッセージを目にする。曰く「両目を閉じた時こそ、真に“道”が見えてくる」。EP4でのヴェイダーとの戦いの最後で、オビ=ワンが両目を閉じたシーンを思い出した。クインランとも親しかったオビ=ワンの心に残る言葉だったのではないだろうか。

 この登場は、単なるファンサービスだとは考えにくい。クインラン・ヴォスは、今後のスター・ウォーズでさらに活躍するだろう。時系列がほぼ同時期だと明かされているゲームゲーム『ジェダイ:サバイバー』(『フォールン・オーダー』続編)に登場するのではないだろうか。同作は、来年発売だ。

オビ=ワンとレイア

レイア少女は鼻につくが、正論を言っていることが多い

 オビ=ワンとレイアのコンビネーションは、相変わらず素晴らしい。ややわがままなレイアに、皮肉屋のオビ=ワンが手を焼く姿は、新鮮で面白い。このドラマの最大の収穫と言ってよいだろう。

 オビ=ワンが、フォースを説明する場面は、印象に残った。オビ=ワン曰く「フォースとは、暗闇のなかで人に安心をもたらす明かりのようなもの」だそうだ。度々フォースと一体化したクワイ=ガンとの交信を試みている彼らしい答えだ。後にレイアは、息子をフォースの暗黒面で失いかけるが、それでもフォースの重要性を信じ続け、レイに訓練を施す。彼女は、このオビ=ワンの言葉を覚えていたのかもしれない。

とっさの嘘には真実が混じってしまう。レイアは鋭い

 オビ=ワンが「レイアの顔には母親の面影がある」と言った場面では、彼の本音が垣間見えた。やはり、パート2で思いだした「彼女」も、母パドメのことだったようだ。レイアはその言葉から、オビ=ワンが本当の父親なのではないかと疑うが、それは真実ではない。しかし、オビ=ワンは、真実を告げることが出来ず、苦しそうだ。代わりに、彼は自分も家族と離れ離れになっていることを明かした。アナキンには家族のことを語っていなかった彼が、レイアには語るのは、心境にも変化があったということだろうか。

 このドラマを通じて、レイアはEP6で語ったように、本当の母のことを知るのだろう。そして、本当の父であるアナキンは、彼女のすぐそばで虐殺を行う・・・。このドラマは、レイアにとっても重要な物語だ。

錆びついたオビ=ワン

騙し打ちとはジェダイらしくないが、それほど追い込まれていた

 オビ=ワンがレイアに家族のことを語るのは、興味深いシーンだったが、それはオビ=ワンが思わずレイアという名前を呼んでしまったからだ。今回のエピソードでは、オビ=ワンは何度も失敗を重ねる。

 ハジャを信じきれずに移動してしまったことで、仲間との合流に手間取った。プローブ・ドロイドの破壊が遅れたことで、居場所が帝国に伝わってしまった。検問では、EP4のような鮮やかなマインドトリックを使えず、危うくレイアに身に危険が及ぶところだった。

 オビ=ワンは、明らかにさび付いてしまっている。誰を信じるべきかもわからず、フォースやライトセーバーを上手く使うことも出来ていない。レイアを助けるために再びジェダイの道を歩み始めたとはいえ、まだ復活には程遠い。アナキンの生存にも向きあえておらず、恐怖を抱いてしまっている。その心には、まだ迷いがあるのだろう。オビ=ワンの現状の悲惨さは、ヴェイダーとの再戦でさらに明らかとなる。

オビ=ワンとヴェイダーの再戦

ヴェイダーは、終始片手で、”舐めプ”だった


 今回、とうとうダース・ヴェイダーが本格的な登場を果たした。ヴェイダーは惑星マプーゾに到着すると、ジェダイのオビ=ワンを誘い出すため、虐殺を始める。子どもでも容赦せず、殺していく姿は、まさに恐怖の象徴だ。

 ヴェイダーの今の姿を初めて見たオビ=ワンは、そんな彼に慄く。レイアを逃がすため、虐殺を止めるため、なんとか勇気を奮い立たせ、ヴェイダーを誘い出すが、彼と遭遇すると、ただただ逃げ惑う。ホラー映画の犠牲者のように、恐怖に駆られた行動をとる。思わず、ライトセーバーを起動するが、彼に立ち向かおうとはしない。

 ずっと最前線に立ってきたヴェイダーに、隠遁生活を送り、ジェダイの道を見失っていたオビ=ワンがかなうはずがない。ただ一方的に駆り立てられていく。最終的には、ヴェイダーにつかまり、ムスタファーでヴェイダーが味わった苦痛を与えられ、悶え苦しむ。(さすが、ヴェイダー。陰湿だ)


ヴェイダーのマスクだけで心情を表すのは、ドラマ的な表現だった

 ターラの介入でなんとか救い出されるが、その姿はボロボロで、なんとも情けない。ヴェイダーはその救出をただ眺める。本気を出せばターラぐらい止められるだろうが、あえて見逃す。その心にあったのは失望だろう。あの情けない男は、彼をこんな姿にするほど追い詰めたオビ=ワンではない。自分が満たされるほどの復讐をするために、ヴェイダーはオビ=ワンを見逃す。ヴェイダーですら、オビ=ワンの復活を望むほど、彼の現状は情けないのだ。

 このドラマは、タイトルにある通り、”オビ=ワン・ケノービ”の物語だ。今のオビ=ワンは、パート1のナリや、今回のターラとヴェイダーが望む”オビ=ワン”には程遠い。”オビ=ワン”の復活が、これから描かれるだろう。

おまけ:ドラマという媒体

 英語圏ではあまり見かけなかったが、日本のSNSでは今回のパート3に対する否定的な意見が目に付いた。その大半は、映像面への不満とオビ=ワンの情けなさに対する不満だ。

 映像面については、私も多少は不満がある。もう少しうまくヴェイダーの恐ろしさを表すことは出来ただろう。走り回って逃げるオビ=ワンに、ヴェイダーが悠々と追いつく場面は、ホラー映画を意識した作りだろうが、少し陳腐に見えてしまった。

 一方で、ロケーションやセットの”ショボさ”は、私は許容したい。はっきり言って、映画と比べると、ドラマの予算は段違いに少ないのだ。もはやそれは、努力でどうこうできる問題ではない。パート1とパート2はセットも素晴らしく、限られた予算の中で制作陣は頑張っている。

 また、オビ=ワンの情けなさは、私には演出に思えた。ヴェイダーとの再会が感動的に思えないのも、これからムスタファーで二人が再び戦うからで、あえて演出を抑えているのだろう。ここでオビ=ワンの弱さ、情けなさを強調することで、彼が復活するシーンは、より感動的に思えるだろう。そのときに、『運命の闘い』を流し、感動させてくれればいい。

 まだ前半しか終了していない現時点で、シリーズ全体の評価を決めるのはあまりにも性急だ。ユアン・マクレガーも、「シリーズ全体で一本の大作長編映画」だと語っていた。あと3話もあるのだ。気長に待とうではないか。私は、後半にも大いに期待している。

豆知識


ヴェイダーの城
『ローグ・ワン』で初登場したヴェイダーの城が、今回再登場。この城の残骸は、『スカイウォーカーの夜明け』にも登場し、ファンにとっておなじみのロケーションとなっている。ちなみに、元々は、ルーカス監督が構想していたアイデアだ。

尋問官の城
ゲーム『フォールン・オーダー』に登場した衛星ナーの尋問官の城も再登場。ゲームで破壊されたはずだが、再建したのだろうか?

イニシエイトの持ち物
尋問官の城では、背景にジェダイ・イニシエイトのヘルメットが置かれている。尋問官が狩ったものだろうか?クインラン・ヴォスが、イニシエイトの保護に奔走しているという話にも関連しそうだ。

オビ=ワンの弟
オビ=ワンが、家族のことを覚えていて、弟も居たことが判明。『EP6/ジェダイの帰還』の初期案では、オビ=ワンとオーウェンが兄弟という設定だったので、そこからの引用だろう。ちなみに、レジェンズ小説では、「オビ=ワンには、オーウェンという名前の弟がいた」(気がする)ことが明かされている。

モグラ
今回、モグラ型のエイリアンが登場したが、その元ネタは、明らかにハナモグラだ。

プローブ・ドロイド
オビ=ワンを捜索するのは、ファンにとってはおなじみのヴァイパー・プローブ・ドロイド。『EP5/帝国の逆襲』に初登場した後、アニメを含めた様々な媒体で活躍している。

ジャビーム
ドラマの次の目的地は、惑星ジャビームになりそうだ。ジャビームは、レジェンズのコミックで初登場した雨が降りしきる惑星。レジェンズでは、オビ=ワンもクローン大戦中にこの地で戦い、”戦死”扱いとなるほどの敗戦をした苦い思い出がある。

クインラン・ヴォス
セーフハウスの壁で、オビ=ワンはクインラン・ヴォスのメッセージを発見し、彼がまだ活動していることを知る。クインラン・ヴォスは、コミックに登場した人気キャラクター。『EP1/ファントム・メナス』にも出演していた(と後付けで設定された)。

ジェダイのシンボル
セーフハウスの壁には、様々な文字やシンボルが書かれていた。その中で、リーヴァが見つけたのは、ジェダイのシンボル。それを眺めつつ、彼女は意味深な表情をしていたが、果たして・・・?

生き残ったジェダイの名前
壁の文字には、生き残って、”パス”に参加したと思われる名前がいくつか確認された。そこには、レジェンズ(旧設定)のスピンオフに登場したジェダイの名前も!Djinn Altis、Roganda Ismaren、Valin Halcyon。

リンク
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画像は、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022年 Lucasfilm)より引用

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