- 原題:タトゥイーン・ラプソディ
- 英題:Tatooine Rhapsody
- 監督:木村拓
- 制作:スタジオ・コロリド
- ユーザー評価:★5.2/10(IMDb)
公式のあらすじ
仲間の絆と夢への想い、銀河を熱狂させるロック
元ジェダイや廃棄ドロイドなど、訳アリのメンバーが集いアウターリムを転々としながらライブ活動をしていたバンド、スター・ウェイバー。バンドリーダーのギーザーはギャング稼業の一族から裏切り者として追われ、ついには凄腕賞金稼ぎボバ・フェットに連れ去られてしまう。ギーザーの公開処刑が近づく中、バンドメンバーは惑星タトゥイーンの犯罪王ジャバに取引を持ち掛けた。自分たちの命と引き換えに、最期のライブをさせてくれないか、と……
海外の反応
「日本語音声でもう一度聴くことを強くお勧めする。流れがずっと自然だ」
「このアニメ主題歌は、今まで見てきた中で最もの変な英語訳だった・・・」
「ボバ・フェットが頭を振ってるの最高だぜ」
「オビ=ワンの家!誰も気づかなかった?」
「曲中に音声トラックの言語を変えてみると面白いよ。スペイン語が一番お気に入りかも」
「ジャバにあの調子で怒鳴りつけるなんて、ボーカルの度胸はデュラスチール製だな。このエピソードの軽快な雰囲気は良かった」
「ボバ役のテムエラのセリフはカッコよかったし、『EP1/ファントム・メナス』のジャバの観覧席がもう一度見られて良かった。
ジャバの尻尾がリズムに合わせて動くシーンは、すぐにGIF化されるべき!」
「かなり賛否両論のエピソードみたいだね。僕はすごく楽しめた。
音楽は期待ほどじゃなかったけど、スター・ウォーズで見たことのないストーリーだったのが本当に良かったよ」
「救出作戦がアクションシーンに発展して、マイクがライトセーバーに変わり『ジェダイの帰還』風に脱出する展開を予想していた。おそらく制作側もそう思わせたかったんだろう。そうならなかったこと、音楽の力に焦点を当て続けた点が本当に良かった。なかなか粋な演出だったよ」
レビュー
なんだかんだチャンバラが多い『ビジョンズ』Vol.1の中で、異質な輝きを放つのがこの「タトゥイーン・ラプソディー」だ。主人公は元ジェダイ・パダワン。帝国の台頭により居場所を失い、その懸賞金を狙う賞金稼ぎのボバ・フェットと対決・・・というような流れかと思いきや中身は古き良きバンドものだ。元パダワンのジェイはハット族のギーザー(ギー)と出会い、スター・ウェイバーを結成することで人生を変えていく。
リーダーのギーはハット族でありながら、ジャバをはじめとしたハット族のギャングのファミリーに反発する反逆者だ。自由人の彼は犯罪王になる闇の道を嫌い、追っ手を差し向けられている。それでも屈することなく音楽を愛し続けている。闇の道を拒むその不屈の姿は、ジェダイの家族を失ったジェイにとって新たな道標となる。
ジェイはギーがボバに追い詰められたとき、ライトセーバーを抜こうとする。だがかつての落下で壊れたセーバーは起動することができない。ギーはボバに連れ去られる・・・。しかし、ジェイの顔は自分の抱える暗い過去から解放されたような清々しさだった。「僕たちはバンドにすぎない」。そう語った彼は、バンドとしての戦いを選ぶ。その手にあるのはライトセーバーではなくマイク。暴力ではなく音楽の力でバンド、スター・ウェイバーの活路を見出そうとする。
ジェイがロックを通じて抗ったもの。それは、このスター・ウォーズという世界そのものではないか。この世界にとって特別だからこそ彼はジェダイとして戦いを余儀なくされてきた。だが、彼はそこから解放され、最高の仲間と共に最高に楽しい瞬間を作り上げる。ウォーズ(戦争)ではなく、熱狂のウェイブ(波)を起こす。戦記であるスター・ウォーズの中だからこそ、その世界に抗うロックが高らかに鳴り響く。
豆知識
ギーザーとジャバの関係
スターウェイバーのリーダー、ギーザー・オダジオンはジャバ・ザ・ハットの「従兄弟」であるという設定
ポスターの再登場
『ビジョンズ』Vol.2「だってママだもの」には、主人公たちのバンド「スター・ウェイバー」のポスターが登場する。二つの世界は繋がっている・・・!
ラン
ドラマーのランは、太鼓を叩いて雷を起こす雷神と三面六臂の仏教の神、阿修羅からインスピレーションを受けてデザインされている。
作品制作の背景
本作の木村監督は『ビジョンズ』の計画を聞いた時に、真っ先にシスがライトセーバーを振り回すような派手なシーンが頭に浮かんだが、スター・ウォーズでまだ語られていない唯一無二のストーリーを作るために、ロックオペラを制作することにした。
スター・ウェイバーの作詞
スター・ウェイバーの楽曲は、作詞がジェイという設定。
出典